新潟、阿賀野市の工務店、宮崎建築の家づくり論

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私の家づくり論

住宅をつくるには多くの専門知識が必要になります。
一般の方にはわかりにくいことも多く、専門家である私たちも日々の勉強が欠かせません。
このページでは、私が仕事をする上で身に着けたこと、教えて頂いたことなどを、出来るだけわかりやすく文章にまとめていきたいと思います。
みなさまの家づくりの一助となれば幸いです。




■2016年が終わり、この2年間を振り返る

■私は断熱をこう考えている

■断熱リフォームの県外の実例

■リフォーム計画で大切なこと




■2016年が終わり、この2年間を振り返る


2016年も、おかげさまで色々な高断熱住宅の新築やリフォームをさせて頂きました。
リフォームで高断熱にした家のうちの1軒は、初めて「外壁200ミリ断熱」を施工しました。
新築では、「床下放熱式エアコン暖房」をやってみました。
私は自ら設計施工する大工です。その立場で思うことを一度整理しておこうと思い、まとめてみました。これから新築やリフォームを計画している方の参考になれば幸いです。


1.3件の断熱リフォームを経て思うこと

2015〜2016年の2年間で大きめのリフォームを3件しました。すべて「断熱リフォーム」を施し暖かい家になっています。
完成後、初めての冬を過ごしたA邸(黒埼の家)のご主人から「こんなに暖かく暮らせるとは思っていなかった。もっと早くやるんだった」と言われたときは本当にうれしく思いました。「暖かい家にすること」が目標でしたが、思い描いていた通りの結果になり、達成感から「やったぁー」と心の中で叫びました。


 
・断熱リフォームの重要性を実感した「黒埼の家」

私が大きな達成感を感じたのには3つの理由があります。
1つ目は、私にとって初めての高断熱リフォームで、それが想定通り成功したことです。全体を計画できる新築工事と異なり、リフォームは難易度が高いのです。結果的に全て問題なくクリアできましたが、天井や浴室回りの工事ではとても悩みました。
2つ目は、部分改修だったこと。Aさんは夫婦二人暮らしですので、普段生活をする1階だけの改修にしました。したがって、断熱気密も1階部分だけを高めるというものでした。家の中に断熱気密の境界をつくるのですから、新築のように堅牢に断熱気密できない可能性があります。そういうところは実際暮らし始めてどうなるのか、「2階の寒い部屋に水蒸気が移って結露しないか?」「気密化しても、室内のドアから隙間風が入らないだろうか
?」。細心の注意を払いながらも心配は残りました。
結果、結露も隙間風も全くなし。「部分改修も上手くやれる」と、大きな自信になりました。
3つ目は、新しい発見と確信です。A邸では今回のリフォームで日常の生活ゾーン全てが暖かい場所になりました。寝室、台所・食堂、トイレ、浴室の全てが暖かいのです。家の中で温度差がないことは、高齢者にとって何より健康に優しい環境です。しかも、間仕切りを取り払って広くし、床はバリアフリーにしています。こういうリフォームは、高齢者に最適なリフォームなのだと改めて確信しました。
ご主人が「以前の冬は、沖縄と北海道が一つ屋根の下にあるようなものだった。狭い部屋で暖房していると暑いし、戸を開けて台所に行くとぶるぶる震えるほど寒かった。それが今は広々暖かいんだから…」と話してくれました。
古い住宅をリフォームで暖かくする。大きな家なら、生活ゾーンだけ部分改修する。そうして、健康に優しい家で老後を過ごせるようにする。A邸ではその実証ができました。このA邸の断熱リフォームは、私にとってもとても大きな経験になったのです。


 
・付加断熱と床下エアコンを導入した「小栗山の家」

「黒埼の家」の工事の後に、2件のリフォーム工事を行いました。
そのうちの1つは阿賀野市小栗山のI邸(小栗山の家)で、旧家屋に増築し、新旧で延べ35坪くらいの工事となりました。ここでは、壁内に通常の倍の厚さの220mmの断熱材(グラスウール)を施工する「付加断熱」という方法をとりました。
窓は熱を伝えにくい樹脂サッシに、アルゴンガス入りLOW-Eペアガラスを使っています。
結果的に、改修部分は北海道基準を超える超高断熱仕様になっています。
暖房は「床下放熱エアコン暖房」を採用し、床下からじんわりと家全体を暖められます。
断熱性能についてお施主様の期待は「リフォームすれば暖かくなるだろう」という程度でしたので、この冬、暖かさと電気代の安さに驚かれると思います。


 
・建て替えかリフォームか?その判断基準について

前述の工事費用はリフォームだからといって安くはありません。そこそこお金は掛かります。しかし、「だったら建て替え(新築)がいいか?」というと必ずしもそうではありません。
私は次の判断基準を設けています。「同じ規模で同じ性能の住宅を新築する場合の費用を見積もり、それよりも500万円安かったらリフォームを薦める」というものです。
建て替えの場合は、解体や仮住まいも考えると、さらに300〜400万円の費用が掛かります。
また、私は「住宅医」という資格を持っており、リフォーム前に住宅の腐朽や耐震性能を診断します。その上で改修するべきかどうか判断をします。
→詳しくは「・建て替えかリフォームか、判断のポイント」へ


 
・補助金の活用について

リフォームは、耐震や省エネ分野で公的補助が出ます。前述の「小栗山の家」では、耐震で120万円の補助金が出ました。私はお客様と打ち合わせ中に補助金の話をよくします。上手に活用すれば、同じ予算で性能を向上させられるからです。


 
・風除室設置は非効率なお金の使い方

この地域(阿賀野市)にある玄関の「風除室」に疑問を持っています。玄関に吹き付ける風を除けるためのものですが、冬場の洗濯物干し場にも重宝されているようです。
しかし、高断熱住宅をつくって思うのは、洗濯物は室内でもカラッと乾くということです。機密性能の高い玄関ドアを使えば、隙間風に悩まされることもありません。
それに、風除室を付けると、ちょっとしたもので70〜80万円くらいは掛かります。
風除室を付けても、長い時間過ごす室内が寒かったら意味がありません。そこにお金を使うより、暮らし全体に役立つリフォームに使った方がいいと考えています。
毎年、秋口からリフォームの新聞チラシがたくさん入ってきます。浴室やトイレ、台所など、確かに新しくなったら気持ちいいものです。しかし、リフォームの相談があった家に訪問するとよくあるのが「台所や浴室の設備は新しくなっているけど、床が冷たく部屋が寒い。それを何とかしたい…」というケースです。
断片的なリフォームを繰り返していると、「いつの間にかトータルで何百万円もお金を掛けていた…」ということになります。それだけお金を掛けていながら、家の中が寒いままだったら、こんなにもったいない話はありません。
もっと計画的なリフォームが行われるようにPRしたいと考えています。それが工務店として誠意ある姿勢だと思うからです。


2.壁220ミリ断熱(付加断熱)を経て思うこと

 
・当社の標準は高性能グラスウール120ミリ断熱+アルミ樹脂複合サッシ

新築もリフォームも全て高断熱仕様で施工してきました。完成後の冬はみなさんが「本当に暖かい」と言ってくれます。この2年間で、全面的な改修工事2件、新築住宅を4件(内2件は設計事務所案件)行いました。
昨年の冬、あるお客さんは「こんなに暖かくなるなんて思わなかった」と喜んでくださり、奥様のご実家の改修工事もご紹介いただきました。
当社では壁に断熱は高性能グラスウール120ミリ、窓はアルミ樹脂複合サッシにLOW-Eペアガラスを標準にしています。このレベルで皆さんに満足していただける暖かさになり、暖房費も抑えられます。
私はできるだけいい住宅をお客様の予算内で作りたいと考えています。その点、高性能グラスウール120ミリはコストパフォーマンスに優れており、「高性能グラスウール+アルミ樹脂複合サッシ」がベーシックな断熱仕様だと考えています。省エネ基準でいうと岩手県盛岡市の基準をクリアするレベルですので、新潟としてはかなり高いレベルになります。
ただし、建材の性能を発揮させるには、「きちんとした施工」が条件となります。私は大工として自ら施工しますから、施工の重要性は誰よりも認識しているつもりです。
建材の性能を引き出せる施工技術を持つことは、住宅技術者として当然でなければいけないと考えています。


 ・より高い断熱性能にする方法

前述の当社標準より断熱性能を上げたい場合は、窓をさらに高性能化し、換気設備を熱交換型にすることが、最も簡単な方法です。
具体的には、窓を北海道で使われている標準品(樹脂サッシ+アルゴンガス入りLOW-Eペアガラス)に変え、換気設備を熱交換型にすることで、札幌市の該当基準Q値1.6以下(数字が小さいほど高性能)になります。
当社の場合、これに掛かる費用は、一般的な延床面積35坪程度の住宅で+50〜70万円くらいです。


 
・超高断熱を求めるなら…壁220ミリ断熱を

前述の仕様よりさらに上の「超高断熱」をお望みの場合は、「壁220ミリ断熱」を提案しています。220ミリ断熱とは、壁の外側にさらに高性能グラスウール100ミリを施工して、壁の断熱を合計220ミリにするというものです。
壁の面積は大きいので、断熱材を厚くすると大幅に性能が向上します。ここまですると、私が所属する新住協で「Q1.0(キューワン)住宅」と呼ばれる超高断熱住宅になり、暖房エネルギーも大幅に減ります。


 
・やってみました220ミリ断熱

その220ミリ断熱を、私もいつかはやってみたいと考えていましたが、2016年に「小栗山の家」で初めて施工しました。以下、感想です。

@工事は難しくない
自社施工は初めてでしたが、同じような仕様での施工経験もあり、さほど難しいことはありませんでした。次回同じ工事をする時は、相当スムーズにできると思います。

Aコストアップは坪1.5万円くらい
要領を得たので、外壁の付加断熱としては坪当たり1.5万円程度の増額でできます。

B補助を活用する
昨今は住宅の省エネ化のために、通産省や国交省、それに県や市などでも各種補助を出しています。これらの「性能を高めるための予算」を活用するのがベターだと考えています。

Cまとめ
窓を変えるだけでも断熱性能が大幅に向上します。
そのため、「付加断熱よりも窓の高性能化が先だ」との意見があり、その通りだと思います。
ですが、「樹脂窓と熱交換型換気設備で断熱性能を向上させたい」という希望があったら、私はさらに壁の付加断熱も強く薦めます。なぜなら、「もう少し」で、さらに省エネ性能も快適性も大幅に向上するからです。大工として技術に自信を持っているから、「もう少し」の手間で付加断熱ができ、それは坪1.5万円(30坪だったら45万円)以上の価値があると思うからです。
理由はもう1つあります。それは、窓も換気設備もモノです。モノを替えて性能を上げても、いずれまた交換の時期が来ますし、性能劣化もあります。
私は大工ですから、できるだけ住宅本体で性能を長持ちさせたいという考えがあります。実際に壁の付加断熱は耐久性も高いです。大工として「高性能な窓と機械設備を入れて終わり」にはしたくないのです。モノによる高性能化に付加断熱を加える。それを大幅なコストアップなしでできる技術を持っていることが当社の強みであり、お客様に提供できる大きなメリットだと考えています。


3.床下放熱式エアコン暖房で思うこと

 
・床下放熱式エアコン暖房を採用しました

私が所属する新住協のベテラン会員さんが率先して採用している「床下放熱式エアコン暖房」をやってみました。その方法については、これまでも設計事務所さんの仕事で経験していたので初めてではありませんが、自社物件では2015年秋に竣工したM邸が初導入です。35坪の平屋を、中央に据えた12畳用のエアコン1台で暖房します。
冬が来て実際に暖房をつけてみると実に上手くいきました。室温は20℃くらいに保たれて「ホントにちょうどいい」と奥様が感心していました。暖気が床下に送風されるので、エアコンの稼働音も気にならず、風が直接身体に当たる不快感もありません。それは、輻射熱暖房と全く同じ感覚です


 
・設備費とランニングコスト

エアコンは寒冷地用(三菱製)を採用しました。省エネ型4つ☆です。価格は20万円くらいで市販されています。
この暖房方法を採用するとき、基礎と土間の断熱を通常より強化しますから、その分の費用ががプラスされます。暖房設備全体として計算すれば+40万円くらいになります。
一方、私たちの前世代の先輩が採用していた温水パネルヒーターによる床下放熱式暖房は80〜100万円前後(35坪規模)と言われていますので、イニシャルコストはその約半分です。それに、省エネ性能の高いヒートポンプ式エアコンを使うため、ランニングコストも安く済みます。今後はこの方法を標準仕様にしたいと考えています。


 
・薪ストーブ暖房について

2016年3月に竣工したT邸では薪ストーブを採用しました。施主さんの希望でしたが、薪ストーブはこの地域(阿賀野市)ではいい選択であると思います。「この地域ではいい」はというのは薪ストーブを採用する上で以下2つの条件をクリアしやすいからです。
@薪を入手しやすい
A薪の保管スペースがある(敷地や建物に余裕がある)
また、薪ストーブを本当に快適なメイン暖房とするために、高い断熱性能にすることも併せて行っています。


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■私は断熱をこう考えている


・なぜ断熱にこだわるか

私は、新築でもリフォームでもすべての住宅を高断熱にしています。
私は大工で、自ら工事をします。断熱気密の施工精度には誇りと自信を持っていますが、高断熱高気密を「売り」にしたいと考えているわけではありません。
私はお客様のために、季節を問わず明るく伸び伸びと暮らせる家をつくりたいのです。高断熱高気密は、そのために必要不可欠な条件です。
数年前、東北や関東に建てられた高断熱住宅を訪問しました。そこに住む家族の冬の暮らしを見聞きし体験をして驚いたのは、新潟よりもっと寒い土地にも関わらず、私の知る新潟の家よりはるかに暖かく快適だったことです。
そして、住んでいる家族にとって暖かいことはもはや特別なことではなく、それよりも、広々とした空間で伸び伸び暮らせることに満足していることに驚かされました。
「高断熱化をすることによって暮らしはこんなに変わるのか…!住まいづくりは断熱から始まる」とその時強く思いました。



・断熱すると、家の間取りが自由になる

私は高校卒業後、匠塾という大工学校で学び、その後、父に現場で住宅技術を教えられました。
父が、伝統的な木造工法でしっかりとした住宅をきれいに建て、多くのお施主さんに喜ばれてきたことを知りました。
しかし当時の家づくりには、省エネや快適という概念がありませんでした。当然、断熱や気密の施工方法もありません。結果、冬は寒い家でした(それが当時の普通の考え方だったのです)。
でも、今は違います。一戸建ての住宅も、高級ホテルのように暖かく快適な室内環境が実現でき、それでいて暖房費がかさまない家が実現できます。断熱材がしっかりと効く施工技術ができて住宅が変わりました。
かつての家は、6畳や8畳の和室を建具で仕切ってきました。仕切らないと冬寒くて暮らしづらいという理由もあったからです。しかし、断熱材がしっかり効くと仕切る必要がなくなり、大きな空間がつくれるようになります。
その結果、居間でも食堂付き台所でも広いスペースが可能になり、「ああしたい、こうしたい」という暮らしの夢はどんどん現実のものになっていきます。
本当の高断熱高気密住宅ではそういうことができるのです。


・断熱は、住む人の希望と夢をかなえる必要条件

ただし、高断熱仕様になるだけで、暖かい暮らしが楽しくなるわけではありません。住まいの価値はもっと別にあります。楽しく食事をしたり、料理を楽しんだり、音楽を聴いたり、部屋を飾ったり、あるいはきれいに暮らしたい、明るく暮らしたい、伸び伸び暮らしたい…。人それぞれに暮らし方の夢があります。
夫婦、子供、親、みんなが暮らしやすく、安らげて、明日への活力を養う。多くの人はそんな家を求めます。
私も、住宅建築をする者としてそういう希望をかなえるのが務めだと考えています。家を断熱することで、冬の寒さ夏の暑さから家を守れます。
断熱は家づくりの夢と希望を実現するために必要な条件であり、端的に言えばそれだけのものです。逆に、断熱ができていなければ、家づくりの夢と希望の実現は難しくなります。


・建築店としての責務と喜び

建築店を営んできて一番うれしいことは、お施主様の笑顔や喜んでいる姿を見ることです。作る側にとっては立派にできたという達成感もありますが、お施主様にとってそれは当たり前のことです。丈夫で長持ちするだけではなく、自分たちの夢がかなって楽しく暮らしている。そういう幸せいっぱいの笑顔を見るのが何よりうれしいのです。
お施主様にとって家づくりは大切な財産をかけるものです。それを預かって仕事をするのですから、私は誠心誠意それに答えなければならないといつも心に言い聞かせています。


・地域内の家全てを断熱化したい

私は4年前、4代目として宮ア建築を引き継ぎました。父の代と違って社会環境は大きく変わっています。人口が減り、高齢者が増えました。
その中で、寒い家に住んでいる人がどんどん高齢化していることが気になっています。
既存の住宅でもリフォームで暖かくできる時代です。それを知ってから、「暖かくしてあげたい」といつも思っています。私はこの土地で建てられている伝統的な住宅の構造を知っていますから、知らない人より上手に効率よく仕事できます。実際何件かの住宅をリフォームして「暖かく」という希望が予想以上に実現できたと喜ばれています。
今後は、価格を下げる努力をして、できるなら地域内の全ての住宅を暖かく改修したいと思っています。それが、私がこの地域で建築を営んでいく最善の方法だと思うからです。


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■断熱リフォームの県外の実例


全国的に断熱リフォームが行われるようになったのは、わずか数年前のことです。新潟は、東北や関東に比べると、実績が少ない地域のように思えます。ですから、断熱リフォームでどれだけ環境が変わるか、本当のところはあまり知られていないのが実情です。
今回、このページを作るにあたって、私が所属する新住協(住宅技術研究団体)の会沢事務局長にお願いして、いくつかの「断熱リフォーム物語」を寄稿して戴きました。 断熱リフォームの結果がそれまでの住宅と比べてどんな違いをもたらすか、これから家を何かしようと計画している皆さんに是非知って欲しいと思ったからです。
今、私が取り組んでいる断熱リフォームはまさしくここに登場する内容をお手本にしたものです。是非、読んで下さい。(別ウインドウで開きます)
 

1.省エネで快適、「仙台の家」…断熱と開口部だけで暖房エネルギーが1/3に(PDF)
2.これまでの10年は何だったのか、驚きの断熱リフォーム(PDF)
3.嘘のよう、暖房に頼らなくとも寒くない家(PDF)
4.「昔は人が綿入れを着たが今は家が綿入れを着る」古民家の断熱リフォーム(PDF)
   ※「仙台の家」は大震災の後、暖房なしで楽にしのげた家です(PDF)


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■リフォーム計画で大切なこと



・建て替えかリフォームか、判断のポイント

昭和50年代半ばに建てられた住宅が築35年前後を迎えています。設備だけでなく、壁や屋根、内装も古くなっています。そこで、「建て替え(新築)」か「リフォーム」か、ということになりますが、リフォームを選択する判断基準は下記の2つです。

<ポイント1>
今住んでいる家がリフォームで暮らしやすくなること。それは、住んでいるご家族に判断していただきます。その家に長く暮らしてきたご家族が、誰よりも家の使い勝手を知っているはずだからです。
「もしこの台所があっちで、寝室がこっちだったら、この家暮らしやすくなるわ」「寒いのだけが欠点だけど、住んでは暮らしやすい」もし、そう思えるようだったらリフォームをお薦めします。

<ポイント2>
建て替え(新築)と比較して500万円以上安かったらリフォームをお薦めします。仮住まいなどの諸費用を考慮したらトータルでは700〜800万円以上の差がでるケースもあります。
「リフォームで1,000万円以上お金をかけるなら、いっそ新築の方がいいんじゃない?」といわれることがありますが、必ずしもそうではありません。 リフォームでも新築同様の快適さと耐久性、耐震性は十分に実現できるからです。
「古いから建て替え」と、決めてかからずに、リフォームという選択肢を考えることで、最良の選択ができるようになります。


古い家でも明るく暖かい家にすることができます 
 


・老後を迎える方こそ、断熱リフォームを

統計では、リフォームする人の60%が定年世代と言われています。
家の中の寒さは高齢者の大敵です。家の中が寒いと、部屋の戸を閉めるようになります。すると、部屋と部屋の寒暖の差が大きくなります。冬にお風呂で倒れる事故(ヒートショック)が多いのは、急激な温度差が原因です。
また、部屋を仕切ると敷居に段差ができ、転ぶ原因になります。
断熱リフォームを行うと、家全体が暖かくなるため、部屋を細かく区切る必要がなくなり、冬でも大空間で過ごせるようになります。
老後を安心して快適に暮らすためにリフォームするのですから、「寒くない家にすること」は定年世代の方にとってとても大切なことです。

 


・工事前に必ず現況診断を

次の話は、秋田県で実際にあった工務店の話です。
ある住宅の断熱リフォームをすることになり、外壁を剥がしたら、内部の壁の一部が腐っていたそうです。在来木造ではなくツーバイフォー住宅だったため、その壁をまるごと変える大工事になってしまい、新築以上の費用がかかって大問題となったそうです。
古い建物を直すわけですから、見えない部分が傷んでないか(腐朽)、シロアリに食われていないか、事前に調査する必要があります。
工事契約した後に、木材が腐っていたとか、シロアリにやられていたとかの問題が発見され、大きな追加金額が発生したらお互いに嫌な思いをしてしまいます。
私は(建築の専門業者として当然ですが)住宅の中でどこが腐食しやすいか、傷みやすいか知っていますから、そういう場所を事前に調べてから見積もりを出しています。事前調査をちゃんとしておくことで、お互い安心してリフォームができます。
 
雨水で腐食した外壁下地

土台の傷みやすい部分を検査

土台の検査A

       
シロアリの食害を受けた土台と間柱(新しい家)
 
古い家は以外な部位で腐食していることも


・断熱と耐震は同時改修がお薦め

リフォームと言うと、多くの人がトイレやキッチンを新しくしたり、内装をきれいにしたりというイメージをお持ちです。それらは全て目に見える部分です。
一方、「耐震改修」「断熱リフォーム」という見えない部分のリフォームはまだ十分認知されていません。
「断熱耐震同時改修」というリフォームがあります。住宅の断熱材も、地震に強くするための筋交いや金物も「壁の中」に付けます。壁の中の断熱と耐震補強の両方を同時に行うのが「断熱耐震同時改修」で、とても合理的なリフォーム工事と言えます。
外壁の張り替えをしている現場を時々見かけますが、その際に壁の中が現れるため、これは、断熱と耐震の両方を改修する絶好の機会です。しかし、それをせずに外壁の貼り替えだけをするケースがあり、非常にもったいないと感じます。
東日本大震災の時、「断熱耐震同時改修」をしていた家は地震の揺れに強かったし、その後の停電時でも暖房なしで暮らせたという例がいくつもありました。ただ単に壁を張り替えるだけの工事は、実にもったいないと思います。


・寒さが解消すると、間取りの不満が解消されることも

宮城県で実際にあった話です。
寒さが原因で、施主様が築10年しか経っていない住宅を大改修することに決めたそうです。 その家の奥様が「お風呂からトイレ、廊下、全部が寒いし、台所の位置も悪いので、暖かくする工事と一緒に間取りも変えたい」と強く希望したそうです。その家は優秀な建築士が設計した住宅で、別な専門家が図面を見て「間取りは問題ないので、断熱リフォームだけにしましょう」と話しましたが奥様は納得せず、高額な費用を掛けて大規模リフォームをしたとのことです。
私はその話を聞いて「もったいない」と思いました。同様のケースでこんな例があったからです。あるお宅で、台所やトイレが不便という理由で間取りも直そうとしましたが、最初に外壁や天井、窓などの断熱リフォームをして暖かくしたら、今まで嫌だと思っていた間取りの不満がなくなったのです。
部屋が暖かくなり、建具を開けたまま住めるようになった結果、動線がスムーズになったというのが一因かも知れません。とにかく、家の中で寒い場所がなくなると、暮らしやすさが一変します。寒さが原因で暮らしにくくなっていることが意外に多いものです。 



・今あるものを上手に活かすリフォーム術

「奥さん、こういうものは取り外して付け直すより、買った方が安いですよ」。 ある大手リフォーム会社の営業マンは、何気なく言ったこの言葉で、決まりかけていた契約をダメにしました。営業マンが話した言葉に嘘はなかったのですが、思いやりが足りませんでした。
経験した人ならよく分かりますが、リフォームでは、捨てるには惜しいものがたくさん出てきます。愛着があるもの、まだ使えそうなもの、思い出のもの…。一見価値がなさそうなものも、家族には大事なものです。
一方でリフォームを機に取捨選択するのも重要です。古い電気機器や設備類は処分し、家具収納や柱・梁などの木材は再利用可能と思っていいでしょう。
そして、大事なことは業者選択です。室内の造作(家具や棚などを造り付けること)が得意な業者を選ぶのがいいでしょう。 業者には、家具調度品の既製品を置くスペースだけを作る建築業者と、収納を造作して今あるものをそこに再利用してくれる業者がいるということを覚えておきましょう。
*私は、できるだけ今あるものを残して使うことをお奨めしています。捨てるのはいつでもできます。思い出深いものは大切にしたいものです


・リフォームだからできる楽しい工夫

私は、リフォームを依頼されたとき、現状をそのまま直したりせず、工夫してもっと楽しく便利に暮らせないか考えるようにしています。例えば、収納(棚)は既製品を購入して備え付けるよりも、部屋の天井高や幅に合わせて造り付けた方が空間を有効に使えますし、バランスも整えられます。私は大工ですから、そのあたりの造が得意です。新築にはない、リフォームだからできる楽しいことがたくさんあります。是非一緒に工夫してリフォームを楽しみましょう。


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