解体前の壁は土塗り壁のみの無断熱。
壁の断熱の方法は悩みました。
壁は床や天井と違い「筋かい」「配線」「配管」「既存の壁下地」など邪魔者が多いため一筋縄ではいかないことも多いのです。

検討したのは3パターン。
①土壁を残し外断熱。
メリット:土の調質性、蓄熱性が生きる。
デメリット:建物の形状が四周を下屋に囲まれているため、外断熱と屋根の取り合いがうまくで処理できるか不安がある。
土壁を利用したく当初はこの方法を検討しましたが下屋部分が複雑になり気密、雨仕舞の点でも不安が残るので却下となりました。
ほぼ総二階で土壁塗りの建物ならぜひこの仕様で改修してみたいです。

②土壁を残し内側にウレタン吹付。
メリット:土壁を撤去する必要がなく工期の短縮が可能、気密も取りやすい。
全体のスケジュールがタイトだったため工期の短縮は魅力でしたが、吹き付けられる厚みが薄い割に費用が割高になってしまうことなどを考慮し却下となりました。

③土壁を撤去し充填断熱。
メリット:土壁を撤去するため建物重量を軽くすることができる。新規の補強や下地も容易。
デメリット:土壁を撤去する必要があるので工期に影響があること。処分に費用が掛かること。
色々と検討した結果、一番オーソドックスな③を選択しました。
耐震性を考えると、建物の重量を軽くできることは受ける地震力が小さくなるので工事の目的と合致します。

断熱 リフォーム
高性能グラスウール16k 120㎜厚。気密シート別貼り。
土壁を撤去したので柱間にしっかりと充填できます。

断熱 リフォーム
コンセントBOXや給気口周りは気密テープで処理。

断熱 リフォーム
ユニットバス部分は施工前に床壁とも断熱処理。

断熱 リフォーム
下屋部分。
断熱区画内と断熱区画外をボルトが貫通する箇所。
ボルトが熱橋となり結露の恐れがあるのでウレタンで処理。
(写真、わかりにくいですね。)

土壁の撤去は苦労もありましたが、解体してみると土壁が傷んでいるところも多く結果的にはこの方法で良かったと思います。

阿賀野でつくる木の住まい
新潟県阿賀野市 宮崎建築

この記事を書いた人

宮崎 直也

宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。