※この記事は2020.1月に加筆しました。

住宅をつくるには多くの専門知識が必要になります。
一般の方にはわかりにくいことも多く、専門家である私たちも日々の勉強が欠かせません。
このページでは、私が仕事をする上で身に着けたこと、教えて頂いたことなどを、出来るだけわかりやすく文章にまとめていきたいと思います。
みなさまの家づくりの一助となれば幸いです

1回目は「2016年が終わりこの2年を振り返る」について、書いてみようと思います。

「2016年が終わりこの2年を振り返る」

2016年も、おかげさまで色々な高断熱住宅の新築やリフォームをさせて頂きました。
リフォームで高断熱にした家のうちの1軒は、初めて「外壁200ミリ断熱」を施工しました。
新築では、「床下放熱式エアコン暖房」をやってみました。
私は自ら設計施工する大工です。その立場で思うことを一度整理しておこうと思い、まとめてみました。これから新築やリフォームを計画している方の参考になれば幸いです。

3件の断熱リフォームを経て思うこと

2015~2016年の2年間で大きめのリフォームを3件しました。すべて「断熱リフォーム」を施し暖かい家になっています。
完成後、初めての冬を過ごしたA邸(黒埼の家)のご主人から「こんなに暖かく暮らせるとは思っていなかった。もっと早くやるんだった」と言われたときは本当にうれしく思いました。「暖かい家にすること」が目標でしたが、思い描いていた通りの結果になり、達成感から「やったぁー」と心の中で叫びました。

断熱リフォームの重要性を実感した「黒埼の家」

私が大きな達成感を感じたのには3つの理由があります。

1つ目は、私にとって初めての高断熱リフォームで、それが想定通り成功したことです。
全体を計画できる新築工事と異なり、リフォームは難易度が高いのです。
結果的に全て問題なくクリアできましたが、天井や浴室回りの工事ではとても悩みました。

2つ目は、部分改修だったこと。Aさんは夫婦二人暮らしですので、普段生活をする1階だけの改修にしました。
したがって、断熱気密も1階部分だけを高めるというものでした。
家の中に断熱気密の境界をつくるのですから、新築のように堅牢に断熱気密できない可能性があります。
そういうところは実際暮らし始めてどうなるのか、
「2階の寒い部屋に水蒸気が移って結露しないか?」
「気密化しても、室内のドアから隙間風が入らないだろうか ?」。
細心の注意を払いながらも心配は残りました。
結果、結露も隙間風も全くなし。
「部分改修も上手くやれる」と、大きな自信になりました。

3つ目は、新しい発見と確信です。
A邸では今回のリフォームで日常の生活ゾーン全てが暖かい場所になりました。
寝室、台所・食堂、トイレ、浴室の全てが暖かいのです。家の中で温度差がないことは、高齢者にとって何より健康に優しい環境です。
しかも、間仕切りを取り払って広くし、床はバリアフリーにしています。
こういうリフォームは、高齢者に最適なリフォームなのだと改めて確信しました。
ご主人が「以前の冬は、沖縄と北海道が一つ屋根の下にあるようなものだった。狭い部屋で暖房していると暑いし、戸を開けて台所に行くとぶるぶる震えるほど寒かった。それが今は広々暖かいんだから…」と話してくれました。

A様の工事後お住まいになっての感想はこちら

付加断熱と床下エアコンを導入した「小栗山の家」

「黒埼の家」の工事の後に、2件のリフォーム工事を行いました。
そのうちの1つは阿賀野市小栗山のI邸(小栗山の家)で、旧家屋に増築し、新旧で延べ35坪くらいの工事となりました。
ここでは、壁内に通常の倍の厚さの220mmの断熱材(グラスウール)を施工する「付加断熱」という方法をとりました。
窓は熱を伝えにくい樹脂サッシに、アルゴンガス入りLOW-Eペアガラスを使っています。
結果的に、改修部分は北海道基準を超える超高断熱仕様になっています。
暖房は「床下放熱エアコン暖房」を採用し、床下からじんわりと家全体を暖められます。
断熱性能についてお施主様の期待は「リフォームすれば暖かくなるだろう」という程度でしたので、この冬、暖かさと電気代の安さに驚かれると思います。

自分の取り組むべきこと

これらのリフォームのお手伝いをさせて頂き、私の中で今後取り組んでいくべきことが明確になりました。
・古い住宅をリフォームで暖かくする。
・大きな家なら、生活ゾーンだけ部分改修する。
・そうして、健康に優しい家で老後を過ごせるようにする。
「黒崎の家」「小栗山の家」ではその実証ができました。
まだ経験も浅かった私に大切なお住いのリフォームをご用命いただいたこと、

心より感謝致します。
これらの断熱リフォームは私にとって、とても大きな経験になりました。

この記事を書いた人

宮崎 直也

宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。