木造住宅の耐震性は建物の形状・屋根葺き材の種類・壁材の種類、量など様々な要素により決まります。
それらを現地調査で確認し、数値で示すことのできるものが耐震診断です。

耐震診断は、新築住宅の設計とは違い今ある住宅の耐震性を確認するものです。そのため、現地に行って目で見て触れて確認しながら調査を進める必要があります。

では具体的にどんなことをするんでしょうか?

① 建築時の図面があるか?
耐震診断

調査する前に、住宅を建てたときの図面があるかどうかを確認します。
もしあれば、その図面をもとに調査を進めることができます。
ですが、実際は無い場合が多いです。仮にあったとしても図面では壁になっている所が入口だったり、柱があるはずのところになかったり、そもそも家の形状が違うという事もあります。(汗)
一般の方からすると「そんなバカな!」と思われるかもしれませんが一昔前の木造住宅では決して珍しいことでは無いのです。…とはいっても診断の上での重要な手がかりとなるので図面があるに越したことはありません。

② 外観、基礎を確認
まずはぐるりと外観をチェック。
屋根葺き材、外壁材の種類や傷み具合、破損はないかなどを確認します。
毎日風雨や日射にさらされ気温も氷点下から40℃近くまで、過酷な状況にさらされる外装材。
経年による傷みで内部に雨水が侵入した場合、急速に構造を痛めます。外装材のチェックはとても重要です。
併せて基礎のコンクリートの状況を確認。ひび割れは無いか、鉄筋は使用されているか確認していきます。

③ 内部、壁仕上げなどを確認。
内部の壁、土塗り壁や石膏ボードなど下地材、仕上げ材を確認していきます。そのとき壁にひび割れが無いか、雨漏りの有無も見ていきます。

④ 部屋の調査を終えたら屋根裏へ。
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多くのお宅は押入れなどの天井板が外れるようになっていてここから屋根裏に侵入。ネズミになった気分で梁の上を這い回ります。
余談ですが、夏季の屋根裏の調査は灼熱です。瓦や板金が太陽に熱されその熱が屋根裏にこもります。
調査が終了する頃はシャワーを浴びのではというくらい汗だくになるため着替えは必須です!

⑤ 一番最後は床下へ
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床下は屋根裏と違いひんやり涼しいので快適?です。ただし高さがせいぜい50㎝ほどしかないため今度はヘビのように這い回ります。
床下は高湿になりやすく木材の腐朽やシロアリの被害などが無いか入念にチェックしていきます。

以上のような調査を3時間程度掛け行います。
調査結果を持ち帰り診断ソフトに入力、そうすることで評点が算出されます。

耐震診断の良い所は結果が数値に現れることです。
大きな地震が来た時に住まいがどの程度の被害を受けるのか?おおよそですが知ることが出来ます。
新潟市や阿賀野市、新発田市などでは耐震診断に補助を出しています。
昭和56年以前に建築された古い住宅の場合、自己負担なしで診断を受けることもできる場合もあります。

まずはお手軽に、誰でも出来る耐震診断と言うものもあります。

記事の内容が気になったという方、耐震診断を検討をされてみてはいかがでしょうか。
宮崎建築でも補助制度と合わせご案内をしております。お気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

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宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。