6月に上棟した「窪田町の家」。
現在、断熱工事や下地工事を終え、一部仕上げの工事などが進行しています。
この度お施主様のご厚意により、構造見学会を開催させていただくこととなりました。
窪田町の家は新潟市の加藤淳設計事務所さんとのコラボワークスで、設計を加藤さん、施工を宮崎建築で行うかたちとなっています。
(断熱材の選定や空調・換気の仕様、気密の納まり等については宮崎建築でアドバイスさせていただいています。)
加藤さんとの協業は7月竣工予定の断熱耐震改修案件(太夫浜の家リノベ)に続いて2件目で新築では初めて。
考え抜かれたプランと動線、光や差し込み方や風の抜けが心地よい、魅力的な設計を得意とする設計事務所さんです。
新しい設計事務所さんとお仕事をするときは、お互いによい意味での緊張感があります。
また、普段使わない素材や設備などに触れることもあり、工務店として勉強させていただく機会にもなります。

断熱を厚くすることは夏の暑さにも効果的
近年、夏の暑さが顕著となっており、今年も早い時期から気温が高い日が多くなっています。
住宅の高断熱化というと「冬、暖かく過ごすため」に行うイメージもありますが「夏、涼しく過ごすため」にも非常に効果を発揮します。
熱は「温度が高いところ」から「低いところに移動する」といった性質がありますので、夏の場合は外の暑さが室内に入るのを抑える効果があるといえます。




構造と断熱の基準
現代の家づくりにおいては計画段階で「構造計算」や「温熱計算」により性能を確かめることが一般的となっています。
また、それぞれの性能について基準も明確になってきており、一般の方にとってもその住宅がどの程度の性能なのかが分かりやすくなっています。
昨年に発生した能登地震を受け、改めて構造の重要性が増しています。
新潟県内では液状化による敷地への被害が多く確認されました。上部構造のみならず、敷地の安全性に対する意識も更に高めていかねばなりません。
構造の安全性については「耐震等級」というものがあります。
耐震等級は1~3まであり、3が最高等級となります。
窪田町の家は、許容応力度計算による耐震等級3をクリアする性能となっております。
※構造計算:加藤淳設計事務所
(耐震等級3には「許容応力度計算」によるものと「品確法の基準」によるものの2つがあります。許容応力度計算によるものの方が高い耐震性を確保することができます。品確法の耐震等級3は許容応力度計算の耐震等級2ほどになると言われています。)
断熱性については数値や基準は様々ありますが、最近ではHEAT20(ひーとにじゅう)の基準が多く使われています。
こちらはグレードがG1~G3まであり、窪田町の家はG2の基準をクリアしています。
しかし、注意しなければならないのはHEAT20の基準はあくまでも「断熱の性能」だということです。(建物の熱の伝えにくさの性能)
「断熱の性能」はもちろん重要ですが、目的は暖房や冷房に掛かる光熱費を抑えたり、空調時のに体感をよくしたり、その家で生活した際に良好な温湿度・空気環境を得られることです。
これらを高い水準でクリアするための最低条件として「高い断熱性能」があるといえます。
光熱費についても、断熱性能と併せて事前にシミュレーションすることが必要です。
断熱性を高めることはもちろん重要ですが「どのくらいのコストをかけ、どのくらいの光熱費、設備費が削減できるのか」を検討しながらベストバランスを見つけることがより大切です。





このように、性能の数値は建築前の図面や計算書から導き出すことが出来ます。
ただ、最も重要なことはその図面や計算書通りに正確に現場で施工され、完成時に計画通りの性能となっていることです。
構造も、断熱も性能を上げるほど、現場で注意・確認すべき点は増えていきます。
それらの多くは完成時には見えなくなるところ。
構造見学会では、そういった部分を見て頂ける貴重な機会となると考えています。
「地震に強い高断熱住宅のつくり」ぜひこの機会にご確認下さい。
おもな見どころ
・耐震性はどのようにして決めている?
・耐震等級とは?
・雪の重みも考慮する構造計算
・断熱性はどのようにして決めている?
・断熱材はどんなものを使っている?
・高断熱住宅に欠かせない付加断熱
・断熱材の性能を100%発揮させる施工法
・夏のじめじめにも有効な全熱交換換気システム
・暖房はどんな機器を使いどんな仕組みで暖まる?
・冷房の計画はどうなっている?
・夏はどうなる?
…などです。
「窪田町の家」構造見学会
日時:令和7年7月19日(土)9:00~15:00
場所:新潟市中央区窪田町
※会場の詳しい場所はお申込みを頂いた方にお知らせ致します。
※本見学会は完全予約制とさせて頂きます。
◎お申込みは下記までお願い致します。
TEL 090-2409-1462(宮崎携帯)
メール info@miyazakikenchiku .com
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