瓦、板金の良し悪しを解説してきましたが、実際に選ぶときには何を基準にしたら良いでしょうか。

① デザインから選ぶ
屋根は家の印象を大きく左右します。
素材の質感、色、重厚感があるか、すっきりしているか…など。
「こんな家イメージの家がいいな」というものがあれば割とすんなり屋根材は決まってきます。

② 機能から選ぶ
屋根の角度が水平に近い場合や急こう配の時は板金葺き。
雪を自然に落雪させたいなら板金葺き。
重量を軽くし、耐震的に有利にしたいなら板金葺き。
長期間の耐久性なら瓦。
部分補修の容易さなら瓦。
など。
素材の持つ機能面から選択するのも一つの方法です。
また、デザインから選んだ屋根材が機能的な理由で採用できないといったことも考えられます。

③ コストから選ぶ
初期の屋根葺きにかかるコストは板金の方が安くなるケースが多いですが、長期のメンテナンスや耐久性を考えると瓦の方が割安になる場合もあります。
初期コストを優先させるか維持費を含めトータルで考えるかで選択も変わってきます。

まとめ
・新築の場合
新築の場合は素材の持つ短所は建築的に解決することが出来まるのでデザインで決めて良いと思います。設計中の家の外観にはどういった屋根材が似合うを考えることで自然に決まってくるのではないでしょうか。

・リフォームの場合
デザインも重要ですが機能面をしっかりと検討する必要があります。
屋根だけを改修する場合、素材の短所を建築的に解決することが難しい場合もあります。
安易に今までと同じ屋根材にすることなく、重量、角度、メンテナンスなどをしっかりと検討する必要があります。
また、特にリフォームの場合は工務店に相談するのが良いと考えます。それぞれの工法を公平な視点で選択することが出来、下地や構造の補強もトータルに行うことが出来るからです。

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今回は代表的な屋根材である「瓦」「板金」を考えてみましたが、その二つの中間的な素材も存在します。(アスファルトシングル葺きなど)

結局は、文章だけで解決することではなく最終的には信頼できる業者さんに相談し決定していく事になりますが、屋根材を選ぼうとお考えの方の一助となれば幸いです。

「信頼できる業者の選び方」少し間を空けてから記事にします。

この記事を書いた人

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宮崎 直也

宮崎建築4代目で、設計・施工・管理を担当しています。
新潟県ならではの「冬寒く、夏暑い」という悩みに、建て替えなくても新築と同等以上の断熱性能が確保できる断熱リフォームを手がけています。一般的なリフォームとは違い、少ない光熱費で全体の空調を実現しました。
2級建築士、1級技能士、職業訓練指導員、平成9年技能五輪新潟県予選1位、平成10年技能五輪全国大会出場。嫁さん大好き。